Oracle Cloud World 2023 体験記

09/18 ~ 09/21 にかけて Oracle Cloud World 2023(OCW) が開催されました。会場は昨年と同じラスベガス。昨年よりも参加者数は増え、今年は4万人以上がこの会場に集ったそうです。日本人も300人以上がOCWに参加していました。そして今年はコーソルカナダからAIが参加いたしました!

今年の OCW で特に Hot な話題といえば、生成 AI について。2022年11月に ChatGPT がリリースされて以来、大きな話題となりましたがOracle ももちろんこのニュースに注目していました。

Oracle 自身もエンタープライズ向けに生成AIサービスを提供することやOracle Database 23cAI ベクトルを活用したセマンティック検索機能を追加する予定であることを発表しました。

Keynoteでも Larry Ellison 氏は生成AIのトレーニングには、他システムとの連携も容易で高速な OCI が適しているとアピール。自動運転やヘルス分野の話も交え、今後の生成AIの進化に大きな期待を寄せるとともに生成AI技術の発展に対する Oracle の影響力をしっかりと強調していました。

もう一つ、カナダ在住中の自分が注目したトピックは Loblaw の OCI 移行について。

Loblaw はスーパーマーケットをはじめとして、薬局、銀行、アパレルなど幅広く展開するカナダの大手小売企業です。コーソルカナダのオフィスからも徒歩 15 分ほどの場所に Loblaws という Loblaw 系列のスーパーマーケットがあります。

Safra Catz 氏の Keynote では Uber をはじめとした多数の企業の関係者との対談形式で OCI にシステムを移行してビジネスがどのように変化したかについて講演しましたがLoblaw の Chief Technology Analytics Officer である David Markwell 氏もその内の一人。

Loblaw は非常に大きなデータベースをクラウドに移行する計画を立てていましたが、セキュリティ上の懸念もあり、要件もとても厳しく、ダウンタイムも 6 時間しかとれない状況でした。様々なパートナーが候補にあがりましたが、すべての条件を満たしていたのが OCI だったと語っておりました。

自分にとって身近な企業も OCI を採用していると知り、改めて Oracle が世界のビジネスに与えている影響の大きさを感じることができました。

AIは Oracle Cloud World へは初めての参加でしたが、新機能や OCI を活用している企業の話は非常に興味深く、多くの刺激を受けました。次の OCW ではどんな話が発表されるのか。ちょっと気が早いですが、今からとても楽しみです笑

Oracle CloudWorld 2022 に参加してきました!

テーマカラーはOracle REDではなく、鮮やかなBLUE!

10/18~21 にラスベガスで開催された “Oracle CloudWorld 2022” に行ってきました!インパーソンでの開催は3年振りで、世界中から約1万2千人が集まっての白熱の4日間。名称も新しく “CloudWorld” となった通り、クラウド関連のリリースや話題が目白押しでした!

CEOのSafra Catz氏のキーノート

印象的だったのは、クラウドに関するサービスを縦(自社サービス)にも横(他サービスとの連携)にも拡充させてきたなという点です。

縦方向では ①Public Cloud、②OCI Dedicated Region(ユーザーのデータセンター内にOCIを導入)、③Oracle Alloy(新発表!OCIを箱モノとして提供し、ユーザーが独自サービスを提供したり、HWをカスタマイズ可能)とユーザーのニーズに応じたクラウド提供のモデルを選択できるように。ユーザーのシステムに求められる法規制や独立性、カスタマイズ性といった観点で利用するクラウドサービスが選べるようになりました。また、初日の Safra Catz氏のキーノートでは、NVIDIAとパートナーを組んで OCI上で “A100” や今後発売される “H100” のGPUを数万基搭載するという発表(Clay Magouyrk氏は “GPU Super Clusters” と表現)もあり、MLやAI分野での利用におけるOCIの優位性のアピールもしっかりありました。

Clay Magouyrk氏のキーノートにて、OCIの全体像 ※赤字は伊藤追記

横方向では他社クラウドサービスの連携としては ①MySQL Heatwave が AWS、Azureで利用可能に、②AWSとOCIのサービス連携(デモのみで詳細は未発表)、③Microsoft Azureとの連携アピールがあり、オラクルとして他社クラウドと双方向のサービス利用ができることを重視する姿勢を打ち出していました。この辺りは、前回参加した2017年の “AWS叩き” のメッセージとは180度方針が変わったなと思いました。実際、多くの企業がマルチクラウドを採用していたり、オラクルに先行する他社クラウドが既に導入されていることを考えると、良く言えば「ユーザー目線」、現実的には「足元を見つめた」方針転換という感想です。

その他では、勿論 Oracle Database 関連でもアナウンスがありましたが、一番の目玉は Oracle Database 23c の発表だと思います(但し、現時点ではベータ版)。3月の自分のポストでのこの予想は図らずも的中(笑)。Long Term Releaseの扱いになる点も予想通りでした。

今回も発表のメインはクラウド関連だと思いますが、やはりDBエンジニアとしては昨年の Oracle Database 21c に続く 22c の発表があるのかが気になります。現在の Long Term Release は 19c であり、Long Term Release 間の移行は約4年と言われているので、「(恐らく次の Long Term Release になる)23c に注力するから 22c はスキップ」なんてことがあるんじゃないかと心配しています。

今年はOracle CloudWorld開催!
お馴染みAndrew Mendelsohn氏のキーノート

いくつかある新機能の中では、In-Database Sagas というマイクロサービスを意識した機能が非常に面白そうでした。異なるインスタンス間で high level なトランザクション機能を提供。ローカルのインスタンスではコミット済みの処理を Saga で連携した先のインスタンスでキャンセル(Abort)すると、ローカル側の処理もロールバックされるというものでした。具体的な機能や制限については詳細の発表を待ちたいと思います。

イベント全体を通しては、これまでの「オラクル vs 他社」という構図から、「パートナーとの協調」や「他社クラウドとの連携」を前面に押し出しており、ユーザーや開発者のニーズに寄り添ったり、Larry Ellison氏のキーノートのように社会の課題解決により踏み込んだ取組みをアピールしたりと、「オラクルが変わろうとしている」ということを強く感じた4日間でした。

※ Oracle の YouTubeチャンネルでハイライトやキーノートを見ることができます!

今年はOracle CloudWorld開催!

こんにちは。
2020年、2021年とリアルでの開催が見送られていた Oracle OpenWorld ですが、今年は10月に Oracle CloudWorld と名称新たに、会場もラスベガスに変更しての開催が発表されました!

10月にコロナの状況やカナダ~米国の渡航制限がどうなっているのか分かりませんが、せっかく同じ北米にいるので現地(ダメでもオンラインで)参加できたらと、今年の楽しみが一つ増えました。また、JavaOne も同時開催となるようです。

今回も発表のメインはクラウド関連だと思いますが、やはりDBエンジニアとしては昨年の Oracle Database 21c に続く 22c の発表があるのかが気になります。現在の Long Term Release は 19c であり、Long Term Release 間の移行は約4年と言われているので、「(恐らく次の Long Term Release になる)23c に注力するから 22c はスキップ」なんてことがあるんじゃないかと心配しています。

もう一つは Exadata X9M の後継機も注目ですね。Exadata は枯れているようで、リリース毎に最新のHWとSW技術を盛り込んでいます。節目の10代目(V時代を入れると11代目)で大きな変更があるのかどうか。名称も「X10M」ではなくて「Exadata XXM」なんてことになったりして(もはや X が多過ぎてよく分からない)。

OpenWolrdには 2015年、2017年 と参加していますが、思い返すとさすが「コロナ前」のイベント。完全に「密」でしたね。だからこその「熱気」(しかも普段は裏方のDBAが集まった時の静かな熱気)が感じられるのが良いところです!更には、「withコロナ」でライブイベントがあるのか(誰が来るのか)というのも今後の発表の楽しみですね。

過去の Oracle OpenWolrd 参加の様子はこちらから
2015年:コーソル人事ブログ「OOW 2015 参加レポート vol.1」
2017年:コーソル人事ブログ「【Oracle OpenWorld 参加報告】18c自律型データベース発表!」